Blog首から背中にかけての痛みと鍼灸治療

2025-03-18

  • 慢性疾患
  • 鍼灸
首から背中にかけての痛みと鍼灸治療

こんにちは。二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。今回は、首から背中にかけての痛みと鍼灸治療について記事を書きます。首や肩の凝りを訴える患者さんはたくさんいますが、中には背中の肩甲骨の内側に強い痛みがある場合があります。自分でケアしようにも手が届きにくいところですし、どうしてそこが痛むのか患者さんには見当がつきません。首・肩・背中のトラブルの原因は多岐にわたり、複雑です。今回は、頚肩腕痛(けいけんわんつう)の中でも局所症状型(関連通型)に的を絞ってまとめてみました。当院でもこのような症状の治療をする機会が立て続けにありましたので、みなさんにとっても身近な問題のはずです。

局所症状型(関連通型)の原因

局所症状型(関連通型)に分類されるタイプの痛みの原因は、主に頚椎とその周辺の筋肉・筋膜です。肩こりや首の重だるさ・疼痛・肩甲骨間部痛が主な症状です。頭を後屈させたり、側屈すると首の付け根や肩甲間部に放散痛が生じ、手指の痛みやしびれはありません。

  • 脊椎-洞神経の問題:椎間板変性や炎症による関連痛 椎間板や脊柱管にある後縦靭帯や硬膜に分布   
  • 椎間関節:脊髄神経後枝内側枝が刺激を受け、各高位ごとに特異的な疼痛部位が存在
  • 肩こり:原因の多くは不良姿勢から発生する筋肉・筋膜性由来

鍼灸施術の方針

関連痛型(局所症状型)では、頚椎の椎間関節や椎間孔付近での病的状態の改善目的に治療を行います。痛みや凝り、しびれがある部位、筋肉の過緊張がある部位、圧痛・硬結がある部位へ鍼をして15分程度置鍼します。数回治療して、効果が低い場合には低周波鍼通電刺激療法を取り入れます。

椎間関節への刺鍼は、仰臥位で行います。首を軽く反対側に向かせて、胸鎖乳突筋と僧帽筋との間で椎間関節部を触診します。その中で最も圧痛が強い部分を探し出し、刺鍼します。ここで、肩甲間部や肩上部に放散する響きが得られることを期待します。患者さんの自覚している部位へ「響き」が得られるような刺鍼ができれば術後の効果も高くなります。

肩甲背神経の絞扼痛

肩甲背神経の走行は、図に示した通りで、首から肩、肩甲間部で自覚症状がある筋肉を支配しています。そのはじまりは、頚椎の椎間孔から出る第5脊髄神経(C5神経根)です。ここから分枝して頚肩部の様々な筋肉の間をくぐりぬけて肩甲骨内側の筋肉を支配します。ですから頚椎の椎間関節に炎症が起こった場合でもこれらの神経に影響が波及することもあります。肩甲背神経が絞扼されると、肩甲骨の内側や背中の上部に疼痛やしびれ、違和感などの症状が現れます。

参考資料:著者名.原田晃.お茶の水はりきゅう専門学校専任教員.「神経インパクト」発行者.戸部慎一郎.発行所.株式会社医道の日本社.出版2019年7月31日.P64

まとめ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: kata-senaka-hone-2025.3.18-2.png

猫背などの不良姿勢が長時間続くと首の筋肉が過度に緊張をしてしまったり、慢性的に肩の痛みや重だるさを感じることになります。そうした場合、ファシア(Fascia)などの軟部組織の滑走性が低下して、神経の炎症や伝導不全が生じることも考えられます。神経は電気信号を伝える電線のようなもので、この経路のどこで障害を受けても、それらの支配領域に障害をもたらす可能性があります。それが筋肉のトラブルや疼痛、違和感の原因です。関連痛型(局所症状型)では、肩甲背神経が支配する肩甲挙筋、小菱形筋、大菱形筋などの筋肉に影響が出ます。その他にも肩甲骨の上にある棘上筋や棘下筋に痛みを感じる場合には、同様の理由で肩甲上神経が障害されている可能性があります。当院では、患者さんが訴える患部の障害について、原因となる神経の走行を加味した鍼灸治療を行い、症状の改善を目指します。このように鍼灸による刺激を遠隔の原因部位に行き渡らせるような治療は、術者と患者さんとの共同作業が成否を分けると言っても過言ではありません。そのための臨床でのコミュニケーションについて詳しくまとめたページもございます。臨床でのコミュニケーション術の記事もぜひご覧ください。理想的には、3~4日の間隔で3回ほど治療して、施術の効果を確かめていくペースです。その都度、施術の内容やポイントを微調整して何とか施術の回数が5回くらいになるころには患者さんの納得が得られる治療効果を導き出したいところです。不良姿勢は、長い時間をかけて患者さんの身体に特有の癖を作っています。特に高齢の方では、強固な鎧のように身についているものですから、それを取り除くという発想は賢明ではありません。体操や運動で身体を動かして可動性を改善することや、冷やさないようにして血流を保全するなどの生活習慣の努力が必要です。鍼灸の施術は、経絡(けいらく)という全身に分布するルートを効果的に使うことができるなど、遠隔の治療を得意としています。当院では、継続して通院される方の負担を軽減するために、お得な回数券をご用意しております。慢性的な首、肩、背中の症状でお悩みの方は、明石市の二天堂魚住鍼灸院へぜひお越しください。

二天堂魚住鍼灸院