こんにちは。二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。鍼灸院に来院される患者さんは、肩こりでお悩みの方が非常に多いです。肩こりの随伴症状としては、首が回らない、頭痛、耳鳴り、不眠、嘔吐、歯痛、喉やあごの違和感など様々です。頭痛や吐き気などは、精神的に堪えますから生活の質に与える影響もとても大きいです。今回は、肩こりについて記事を書きます。
鍼灸治療で処方する経穴(けいけつ)
肩こりの治療方針
後頚部・肩上部から肩甲間部の血流改善、筋緊張緩和、自律神経系調整
処方例
頚肩部、肩甲間部の筋緊張・圧痛・硬結部
【 ターゲットとなる筋肉 : 経穴(けいけつ)ツボ 】
頭板状筋・半棘筋 : 風池
胸鎖乳突筋 : 完骨
棘上筋 : 巨骨・曲垣・秉風
棘下筋 : 天宗・臑兪
肩甲挙筋 : 肩外兪・肩中兪
菱形筋 : 大杼・風門・肺兪・心兪・附分・魄戸・膏肓・神堂・譩譆
僧帽筋 : 天柱・肩井・天髎
脊柱起立筋 : 夾脊
肩関節を支える筋肉
体にある関節のうち、腕がぶら下がる構造をしているのが肩関節です。私たちの腕は、肩関節の周りにある僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋、といった複数の筋肉によって吊り下げられています。これらの筋肉には、腕の重みで常に大きな負担がかかっているため、肩こりが起きやすいのです。個人差はありますが、片腕の重さは、体重の約6%と言われています。 体重が50kgなら腕の重さは約3kgということになります。肩と首に負担がかかっているうえに、さらに荷物を持つとその重さも支えていることになりますね。こどもを抱っこするのはどうでしょう。ほ育の仕事に従事する方は、今でも女性が多く抱っこ肩、さらに腰を使ってかばう動きをするので抱っこ腰を併発するのもめずらしくありません。
まとめ
後頚部から肩甲間部の過緊張は、肩関節を支える筋肉や腱板のバランスを変化させ、肩甲骨も正しいポジションを維持できなくなります。すると脊椎を支持する機構にも悪影響が伝播するので、首や背中、腰の筋肉も張っていきます。これが固有背筋群(後頭下筋群、板状筋群、脊柱起立筋群、横突棘筋群)まで強い緊張状態にしている原因です。固有背筋は姿勢保持に重要な深層の筋肉(インナーマッスル)であり、脊髄から枝を伸ばす交感神経の興奮と関係が深い筋群です。ですから肩こりは万病のもととも言いますが、神経の異常な興奮や絞扼にも波及し、手のしびれや集中力の低下、浅い呼吸、めまいなど病の連鎖を引き起こし複雑化するのです。重症の方には、鍼灸治療が効果的です。マッサージや整体では、表層の筋肉にしか手当ができません。深追いすると強く揉みになり逆効果です。強く揉んでしまうと、刺激から身体を守るために余計に硬くなったり、揉み返しが来たりする可能性が高まります。 一時的に改善したように思えてもあとから痛みが出る場合もあるので、強く揉むのは避けるべきです。ヨガやピラティスなどの運動は有効ですが、治療して身体を緩めてからでないと苦痛に感じるかも知れません。身体のつながりが上手くとれていないので、返ってあちこちに痛くなるのです。当院では頚肩部に加え、夾脊(きょうせき)と呼ばれる背部の経穴もしっかりと施術しますので、深層の固有背筋群まで治療することができます。まずは肩こりの鍼灸治療からスタートしてみませんか?少しずつ効果を実感していただき、その他の不定愁訴に対してもよい影響がでることをイメージできるようになれば一番いいと思います。あなたのタイプに合わせたオーダーメイドの治療が可能ですので、明石市で鍼灸院をお探しなら二天堂魚住鍼灸院へぜひお越しください。