Blog縁起物「おんびき」がお出迎えする鍼灸院

2024-12-14

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縁起物「おんびき」がお出迎えする鍼灸院

こんにちは。二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。今回は、当院にお祀りしている縁起物、「おんびき」について記事にしたいと思います。明石市魚住町で開院するにあたり、師匠中野保先生から院内に何でもいいから何かお祀りした方がいいよとアドバイスしていただきました。神戸市の二天堂鍼灸院にも、様々なものがお祀りされています。その言葉を聞いてピンときたのが、竜山石できたカエルの石像です。記事するにあたり調べてみました。

国指定史跡「石の宝殿及び竜山石採石遺跡」

 平成26年文部科学大臣は「石の宝殿及び竜山石採石遺跡」を、国の史跡に指定しました。

竜山石採石遺跡とは

兵庫県高砂市竜山の山中に点在する竜山石を採石した遺跡です。竜山石とは今から約9000万年前に形成された凝灰岩で、古墳時代から現在まで約1700年間採石され続けています。高品質で加工に適した石材として様々な石造物の製作に使われてきました。古墳時代の大王の棺や江戸時代の建築材などに利用されてきました。竜山石の製品は、西日本各地に流通し、石の文化を形成しているといえます。

※高砂市ホームページ内 国史跡「石の宝殿及び竜山石採石遺跡」(https://www.city.takasago.lg.jp/soshikikarasagasu/shogaigakushuka/bunkazai/3297.html)

竜山石の「おんびき」

 幸福を呼び込む縁起物。昭和の成長期に開発された住宅の新築祝いで広まったとみられる。「おんびき」は、ヒキガエルを表す四国地方の方言。「幸せが返る」「若返る」などの語呂合わせから福を招くという。石の宝殿の下にも2体が向かい合って鎮座している。店先で客を出迎えたり、玄関先で毎朝水を供えられたりしていた。

参考資料 : 加古川市専売所通信 2020年10月号 あなたの家に「おんびき」いませんか? 石の宝殿研究会 

カエルは古くから縁起物

カエルは古くから縁起物として親しまれており、さまざまな意味合いがあります。

  • 子宝や豊穣の象徴:一度にたくさんの卵を産むことから、子宝や豊穣の象徴としてさまざまな分野でモチーフにされています。
  • 出世の象徴:前向きにしか飛ばない。(仕事運、立身出世、開運)
  • 無事に帰る:(旅行運、交通安全、家内安全)
  • 福帰る:(幸運)
  • 若返る・よみがえる:(健康、美容)
  • 相手の気持ちをカエル:(恋愛)
  • 鳴き声が届く:願いが届く(心願成就、コミュニケーション、良縁)
  • お金が帰る:(商売繁盛)特にがまぐちの財布は縁起が良いものとされています。ガマガエルが大きくクチを開けた状態に似ているということで『がまぐち』という名前が付いたと言われています。

海外でも「神の使い」と言われている

カエルは、幸運を運んでくる神の使いといわれます。

  • バリ島:カエルは豊作や雨を降らす「神の使い」、子孫繁栄の象徴とされています。
  • インド:雨の神様とされています。
  • 中国 :3本足の蛙で、前と左右の財をかき集めることから、財運を司る聖獣として人気があります。天災を予知する神様、子孫繁栄の神様とも言われます。
  • ヨーロッパ:豊穣・良縁・子孫繁栄・変容 卵→おたまじゃくし→カエル(三段階)を象して、良い意味で「変化の象徴」とされます。

まとめ

私がまだ、鍼灸の専門学校に通っているころ話です。実家の隣にお住いの高齢の女性から声をかけられました。家の庭にある数々の石像や陶器の置物を自分が元気なうちに整理したいというのです。十二支や布袋さんなど、たくさんあります。勧められたのは、石の産地で有名な高砂市の竜山石で作られた「おんびき」です。縁起物であり、これを集めているコレクターもいるそうです。そのことを記事にした新聞の切り抜きも添えられています。私は、「将来、鍼灸院を開業したらこの縁起物を入口において訪問者をお迎えしますね」と言って譲り受けることにしました。よく朝になるとうちの玄関の前に、なぜか石の亀と陶器のタヌキと共に置かれていました。ここぞとばかりに、頼りにされたようです。

当院では、鍼灸治療を通して患者さんに元気になっていただくためにも、健康かえる・よみがえるの験(げん)を担ぐ存在として入口にお祀りしております。爬虫類が苦手な方には、ごめんなさい。決して飛んできませんから、どうか趣旨を理解していただきたいと思います。偶然にも今回の記事を書いている最中に、私が2年間勤務した三木市志染町青山の橋本鍼灸整骨院の皆様から開院御祝のシクラメンの鉢が届きました。本当にありがたいことです。これも譲り受けた「おんびき」の恩恵かも知れません。みなさんも古くから伝わる縁起物を身近なところお迎えするのはいかがでしょうか。

二天堂魚住鍼灸院