こんにちは。兵庫県明石市にある二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。今回は、坐骨神経痛について記事にします。腰椎の変性は、第四腰椎・第五腰椎間、第五腰椎・仙骨間の椎間板レベルの椎間孔付近で強く起こります。この変化によってこの部分を通過する坐骨神経の神経根が障害されると、根性の坐骨神経痛が起こります。したがって、腰椎椎間板ヘルニアをはじめ、変形性脊椎症、腰部脊柱管狭窄症など、いずれもが根性坐骨神経痛の原因となります。
坐骨神経痛
臀部、下肢の知覚障害、筋力の低下と筋委縮などがみられ、片側の腱反射の減弱を伴う場合もあります。根性坐骨神経痛では、神経走行に沿った下肢への放散性の疼痛と痺れがあり、圧痛点(ヴァレーの圧痛点)を確認できることもあります。
鍼灸施術の方針
障害神経根付近の循環改善及び臀部や下肢の疼痛部位の鎮痛を目的に、腰臀下肢の反応点を中心に鍼灸の施術を行います。
脊柱起立筋群の施術に用いる経穴・・・脾兪・胃兪・腎兪・気海兪・大腸兪・関元兪
腰方形筋の施術に用いる経穴・・・肓門・志室・腰眼
大腰筋の施術に用いる経穴・・・夾脊
腰部施術に用いる経穴・・・脾兪・胃兪・腎兪・志室・大腸兪・腰根
臀下肢施術に用いる経穴・・・胞肓・秩辺・殷門・承筋・陽陵泉・委陽・委中
参考書籍 実用鍼灸治療学 鍼灸師のためのABC理論 著者.中野保著 発行者.安井喜久江 発行所.たにぐち書店 2023.4.12発行
まとめ
40歳前後からはじまる脊椎の老化変性が原因で起こる腰痛は、椎間板や骨棘、筋膜由来など複数の因子が考えられます。鍼治療では、筋の起始・停止部、腱移行部への刺鍼で筋緊張の緩和をはかります。慢性の腰痛、坐骨神経痛に対して大腰筋鍼刺(インナーマッスル)という特殊な技術等を用いて治療します。また、椎間関節性の痛みに対しては、障害部位の関節部や脊柱の周囲筋に刺鍼します。馬尾・神経根(腰仙部の脊髄神経根の束)が障害されると、下肢症状が出現します。腰部から下肢への神経の走行に沿った刺鍼や施灸は良好な結果を残すことが多いです。当院では、障害高位神経根鍼通電療法などを行い、神経の絞扼の原因にアプローチする施術も致します。お身体のつらい症状、整形外科などで画像診断しても原因がわからない。保険診療に納得がいかないけど、どこへ行けばいいかわからない。こんなお悩みありませんか?明石市においての”かかりつけの鍼灸師”として、皆様の健康をサポートします。