Blog「若い世代にも心身をリセットする術が必要」鍼灸治療のすすめ

2025-02-05

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「若い世代にも心身をリセットする術が必要」鍼灸治療のすすめ

こんにちは。二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。鍼灸治療は、親子で一緒に施術を受けることができます。また、中高生の年代になると大人に準ずる内容の施術も行うことができます。特に病名や診断名がつかない症状でも、お悩みの内容に応じた施術をすることで心身の負担を軽くする効果が期待できます。最近の傾向として私が気になるのは、「若い世代にも心身をリセットする術が必要なのではないか」と感じることです。ニュースなどを耳にしていると、こどもから成人前の幅広い世代の方たちもいろいろと悩みを抱えているようです。大人でさえ「一旦立ち止まって小休止する」などの処世術を身に付けるのは大変なことです。東洋医学には、人間の健康をサポートする様々な療法があります。鍼灸治療は、あらゆる世代に対応した施術も可能です。心身の疲労を回復させる効果も科学的にも証明されています。今回は、親子や中高生にお勧めしたい鍼灸治療を記事にします。

鍼灸施術の方針

肩こりや頭痛、倦怠感、不眠、食欲不振など、身体の緊張を伴う症状に鍼灸の施術を行う。ただし、成人と比べて未成熟な身体への刺激は、刺激量の過剰や敬遠する心理的反応を誘発しないように慎重かつ軽微な施術を選択し、段階的に調整を行う。鍼の施術では、鍉鍼(ていしん)やローラー鍼、あるいは接触鍼など、「小児はり」の技術を年代に応じて吟味する。灸の施術は、温めることにより、筋緊張の緩和と血流の改善を目指したい。よって温灸や棒灸を用いる。皮膚感覚と接触鍼の治療についてまとめたページもございます。「接触鍼」の記事もぜひご覧ください。

ストレスが原因で起こる脳機能への影響に対しては、経穴(けいけつ)ツボを用いた施術で、機械的刺激、科学的刺激、熱刺激を組み合わせて作用させる。これは、鍼灸施術でも手技による施術でも適宜患者の反応を診て選択する。いずれにしても細い神経線維を興奮させることで、脊髄から脳へと刺激が伝達される。これにより、下降性疼痛抑制系などを賦活させて、内因性オピオイドまたは内因性モルヒネ様物質と呼ばれるエンケファリン、ダイノルフィン、βエンドルフィンなどが作用して鎮痛が起こり、痛みが抑制される。心身の疲労と鍼灸治療についてまとめたページもございます。「心身の疲労をリセットする術」の記事もぜひご覧ください。

まとめ

まずは、肩こりの症状がないかを確認します。精神活動の影響が非常に大きいのが頸肩部の過緊張です。無意識のうちに脳が「緊張モード」を学習してしまい、当たり前になっています。患者さんを心身ともに「弛緩モード」に誘導するお手伝いができます。そこから「ゆるむこと、たるむこと」を、頸部や頭部に連鎖させていく好循環のイメージです。

精神面ではストレスが原因で、判断力や意欲が低下していることもあります。また、悲しみや不安、恐怖などの感情を強く感じているケースもあるでしょう。これらのことが複雑に絡み合って、情緒障害を引き起こす可能性もあります。気分がひどく落ち込んだり、楽しいことが何もないといった状態が続いている場合は、信頼できる人に話を聞いてもらうのがよいでしょう。

また一方で「身体心理学」が示している心と身体の関係は、つながっている程度の関連ではなく、「身体が存在して、そこに思考や感情が生まれる」「身体が心をつくっている」といった考えも示唆しています。首には、身体の機能を一定に保つためにはたらく自律神経系がたくさん集まっています。この部分が過度に緊張することで、自律神経が失調し、心理的な影響を受けやすくなる事例もあります。

日々の学校活動もこどもたちにとっては立派に社会問題ですし、受験勉強も越えなければいけないハードルのひとつです。このように考えると、その年代なりのストレスを抱えているのは大人と同じです。私は、この人生の通過点を克服する手助けとして、鍼灸治療がいいのではないかと考えています。もちろん診療内科の受診も悪くありませんが、東洋医学ではそのずっと手前の未病(みびょう)のうちから治療すべき対象と考えます。みなさんにとって身近な存在であり、他にはない鍼灸院ならではのアプローチが力を発揮するところです。小学生から高校生くらいの年代が、器質的問題がない限り鍼灸治療を受ける機会は非常に少ないと思います。しかし、日本には独自に発展してきた「小児はり」の技術もあり、今も皮膚への触刺激による脳内伝達物質放出や自律神経反応の変化などについて研究が進められています。お子さんのことでお悩みの方は、保護者自身も治療の対象になります。タイミングを見計らって、親子で鍼灸院を受診するはいかがでしょうか。当院は決して、「小児はり」について専門性を持っている訳ではありませんが、あらゆる患者さんに対して最適の施術が提供できるように努力していきます。ですから「二天堂鍼灸院直伝の鍼治療」もあれば「やさしい鍼」「ソフトな手技」もございます。鍼灸の施術を駆使すれば、「受験生を応援する鍼灸治療」や「部活動を応援する鍼灸治療」など、さらに支援する幅も広がります。今回の記事が、若い世代とその保護者の方の健康と生活を考えるきっかけになれば幸いです。

参考資料:大沼 竜也. ストレス専門のはり師が教える 心と体のコリをほぐすセルフリセット (大和出版) . 株式会社PHP研究所

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