こんにちは。二天堂魚住鍼灸院の宮上智志です。今回は、嗅覚障害について記事を書きます。「嗅覚が鈍くなっている」「ある日を境に、においを感じなくなった」と鍼灸院を受診する患者さんがいます。当院では、感覚器系のお悩みも鍼灸施術の適応疾患として治療いたします。
首・肩の筋緊張と嗅覚の関係

慢性的な首コリや肩コリが原因で、嗅覚が障害されている方がいます。筋肉が緊張して縮んだ状態では、筋肉内を通る血管が圧迫され、血流が低下します。たとえば、外頸動脈の血管が圧迫されると、鼻周辺の血行不良が起こります。鼻の粘膜が十分に栄養されず、においに対する感度を低下させる一因になります。また、僧帽筋や胸鎖乳突筋が緊張していると、脳への血流が低下します。嗅覚中枢への情報の伝達や処理する力が低下するため、においを感じにくいなどの症状を引き起こす可能性があります。
嗅覚障害を気にしている方は、首や肩のコリを家族や友人に一度みてもらうものよいでしょう。日常的にコリを抱える方は、順応しようと脳が学習するため、疲れやこわばりに対して鈍感になっています。嗅覚などの感覚器にまで波及するような重篤な状態であっても、自覚が乏しく、長い時間をかけてコリを積らせています。鍼灸施術でこの頑固なコリを改善し、失われている感覚を取り戻す手助けをします。首や肩のコリに対する鍼灸施術について紹介した記事もごさいます。肩こりは万病のもと。まずはここから鍼灸治療!のページをご覧ください。
まとめ

鍼灸院に来る患者さんは、薬を飲んでもよくならない。あるいは、検査では異常なしと診断されるなどの理由で、いくつも病院巡りを経験した話をよくされます。そんな難治性の感覚疾患に対して、いかに立ち向かうかとついつい身構えてしまうところですが、よくよく患者さんの身体を診ていくと、とても疲れています。そして、あちこちが非常に硬くなっています。そのような場合は、あえて鼻の施術をしないで「疲れて硬くなった身体の治療」をすることを勧めています。患者さんには、「嗅覚障害は症状の一端であって、元気な身体にする下地作りをしてから手を入れていきましょう」という感じです。ヒントは、風邪の症状です。鼻水や鼻づまりで、におい物質が嗅粘膜に届きにくくなるため、嗅覚が低下します。しかし、体調が回復すれば、自然と本来の感覚は元に戻っています。ですから当院では、鍼灸施術で首や肩のコリをとり、元気を引き出す治療からスタートします。積もり積もったコリの芯を取り去るには、同じように時間と手間をかける必要がありますが、3回ほどの施術で何らかの感覚の変化を感じていただけると思います。そこからは、施術の効果が少しでも長く持続するコンディション、元の悪い状態に戻りにくい身体を目指して治療します。鼻の症状に効くツボなどに鍼灸施術を加えるのは、この段階です。患者さんの自然治癒力に、追い風を吹かせるように鼻や副鼻腔の周囲に刺激を加えていきます。目安として、計5回くらいの施術を治療の1クール (one cool )と考え、患者さんと相談しながら経過を診ていきます。検査で異常なしと言われても、あきらめずに専門家による身体のケアを試してみませんか。慢性的なコリや身体のこわばりを解消することで、健やかな本来の感覚を取り戻しましょう。







